波間

強靭なナイフを持ってアレは泳いでいる、
震える右手は其れに縋り放さずに、
濁った海の中を唯ひたすらにぐるぐるとまわって、
錆びた鋼を未だ疑いもせずに、
ひかりを映さぬ目玉に海水は滲みて、
涙すら忘れる愚かな魚、


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