めざめ
蝉が窓に衝突したらしい
びりりと
コンセントがショートしたみたいな
あるいは
途轍もなく人間的ななにかが破れるみたいな
そんな音がして
鳴きもせずに蝉はどこへ行っただろう
閉ざされた遮光カーテンの隙間から
容赦なく朝日は攻撃的だ
張った空気を破るようにして
始発電車が走る
踏切が警鐘を響かせ
いつからか遠くなったカラスの鳴き声を
さらに掻き消すように雀が呼び合って
新聞を載せた原付のエンジン音が
私の頭を破いた気がして
きっとその時のら猫は眠りにでもついたのだろうが
鈍く冴えた耳が
時計の秒針を捉えたとき
ああ はじまりなんだと
眠気が破かれた
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