まどからうけるひだまりの
ころがったけしごむに
すなのにおいをつかみとり
はこづめされた数人の
いしきとちしきがうかんでる
( 081102 )
ひどく事務的な
社交の謙遜がひびわれる
規則的な知識
まみれて欲望
けしされど、
されど、
されど、
ぐるり、
ぐるり、
こわれた計算機
わたしはどこへ
いくのでしょう
( 081029 )
連ね吊り下げられた豆電球
そらを抜き出たビルディング
まちのふゆは無感情
(あなたのそういうところが気に喰わない)
ダークスーツサラリーマン
(あなたの奥さんげんき?)
彼女のツンとした乳首がすきでした
(みじかいこゆびが気に食わない)
かのじょの背筋がすきでした
(あなたの大きな乳房がすきじゃない)
血のめぐる週末
( 081028 )
似合わないぼうしと
不釣り合いなそら
色を落としはじめた風景のなか
歩き走るひとの思惑と
灰色のクルマ
それがなんだかとても、憎い
世界の噛み合いはいつも曖昧で
喪ったほしの隙間をぼかすのは
なみだじゃない
(てじな)
(まさか)
しょっぱいピーナッツ
はだざむさ
不機嫌なコーヒー
、
捉えなかったいっしゅん
( 081009 )
なんであのひとは欲しがるのだろう、
征服欲を恋愛と勘違いしているのじゃないかなあ、なんて思う、
わたしさ、プールのほうがいい、海よりも、って言ったけれど、
ほんとうはね、海の際限なく続く恐怖を忘れて、漂っていたい、
あのひとは泳ぐ、水色のプールで、
わたしは、こどくじゃないよ。
( 080722 )
たばこを吸いながら笑うなよ
分厚い文庫本を読みながら笑うなよ
(真実の中身はからっぽ)
溶けた氷は無実
渋いアイス・ティーの独白
混ざり合ってしまえば皆いっしょ
水玉模様の顔をして
縞縞模様の脳味噌でなにを考える
笑うなよ
システムになってしまえば。皆いっしょ、そうでしょ、コーヒー
( 080719 )
シグナル、シグナル、
路傍に際限なく、
トリックもマジックもないんですよ、
ゴミバコに見覚えのない精液の溜まったコンドーム見つけたって、
あの子がどこの男とセックスしてようが、
どんな事象を示す暗号信号であろうが、
路傍の夜逃げ人に訊けばどうでもいいのでしょ、
( 080719 )
■丘
ころがりおちて、梺のみずうみで、おぼれよう
■湖
鳥はとびかたをわすれたような目で、あわぶくに線を投げかけて
■底
土のなかで孵化したそれが、酸素をわたしにおくっている
■喉
わたしは沈んで、しんだのか、ちくりちくり、目が疼く
■肩
こまかな魚たちが、ゆびさきを啄み、嚥下、とかされたわたし
( 080719 )
わけのわからないことばでしゃべってしゃべって
ぺちゃん
くちゃん
アイスコーヒーに後悔
冷えたからだが疎ましい
( 080523 )
「牛乳」
みるく、みるく
色濃くのこるざんぞう
陰にみる
あたまに笑顔はりつけて
見事!見事!
せかいのかわるおと
あさ、ひる、よる
リズムのなかに誰をみつけるのだ
ようえんに、ようえんに、誘いたまえよ
しろいえきたい
えきたい?
( 080505 )
「いろごと」
しめったはだにすいついて
あたまをだきよせて
はいってくるかんかくも
いたみすら
ことばをわすれるぐらい
あいしてもいないおとこに
だかれるのに
いとしくてたまらなくなるのは
あついはだがわたしをさそうからだ
かんせつがふるえるけど
わたしはまたがってこしをふって
だれにおしえてもらったのって
ことばはわすれちゃったのよ
たばことこーひーのにおいがしない
きすがしたいなって
やにくさくないまくらにしずみたいなって
おもってるの
しらないんだよね このひと
( 080502 )